完成した絵を、ぜんぶ見せてしまうのが惜しいと思うときがある。
最初はただの照れだと思っていた。けれど描き続けるうちに、見せないことそのものが表現になりうると気づいた。断片だけを差し出すと、見る人はその先を想像しはじめる。余白は、こちらが描かなかった部分を相手に手渡す行為だ。
だからこのサイトでは、作品の一番おいしいところをあえて隠している。全体は、いつか作品集や個展で。そのときまで、想像のなかで育ててもらえたら嬉しい。
絵は、見られて初めて完成する。けれど見えすぎた絵は、どこか消費されて終わる。見せないことは、長く生き残るための戦略でもある。